スポーツビジネスについて思うことあれこれ

驚きの集客方法。アメリカのスポーツクラブには単純で大切なことが詰まっている。

こんにちは。嶺です。


先日、スポーツの観戦チケットに関して、記事にしましたが、今回はアメリカのスポーツクラブ経営に関してです。


前職で、海外のスポーツビジネスに触れる機会がたくさんあり、その中でもシアトルサウンダーズというMLS(メジャーリーグサッカー)のCOOバート氏を日本にお呼びし、セミナーを開いた際に、様々なお話を聞く機会を得ることができました。


アメリカのスポーツクラブが大切にしていること、それは・・・


日本のスポーツクラブ経営に関して、よく聞くことがあります。それは、「今はチームが勝てないからしょうがない。」という言葉です。これは何かというと集客ですね。すべてのスポーツに置いて、日本では企業スポーツの名残があり、まだまだ若いビジネスです。この「集客力」ということに関しては日本では発展途上のビジネスだと私は思っています。


アメリカのスポーツクラブが一番大切にしているのはこの「集客力」つまり"チケット収入”です。少し驚きかもしれませんが、アメリカのスポーツクラブにおいて、勝ち負けの感覚は皆無といって等しいです。その会場で何が行われていれもよく、クラブの勝ち負けは大胆に言ってしまえば二の次で、人をたくさん会場に入れることが重要視されています。


それは無料の観戦チケットを配るということではありません。実際にシアトルサウンダーズはサッカー不毛の地であるアメリカで平均4万人以上の集客力を誇る人気チームを作り上げましたが、無料のチケットは一枚も配っていないと言っていました。これは文化の違いではなく、チケットセールスのプロが販売を行っているからに他ありません。アメリカではチケットセールスの専門学校があり、チケットセールスのプロを養成しています。もちろんプロですから結果がでなければクビもあります。しかし、専門学校を卒業すれば間違いなくどこかのクラブに就職できると言われています。それは、1クラブに数十人も抱えるクラブがあるからです。クラブがいかにチケットセールスに重きを置いているかがわかりますね。


これに対し、日本では数人がいる程度でほとんどは広告がチケットのセールスの対象になります。電車やTV、雑誌などが集客を担っており、無料の観戦チケットを地域にばら撒いて来てもらうというのが主流です。広告にも予算があるため大きく使うことはできない。そのため、クラブ関係者は「勝てない=メディア露出が減る=観客が減る」ということになります。某野球のプロチーム関係者に「今は勝てないから」と聞いた時に少しがっかりしました。クラブでは勝ち負けに関係なく、チケットを売ることが大切です。それで給料を貰っているのであれば、尚更だと思うのですが。。


アメリカの集客方法とは?


それでは、集客のプロであるアメリカの人々はどのように集客を行っているのでしょうか?これは本記事のタイトルにもある非常に単純で大切なことです。それは、"人に会うこと”と”電話”です。ローカルな営業方法ですが、マーケティングにとって重要なことです。スタジアムに来てくれる人で一番顧客になる可能性の高い人たちは、徒歩もしくは自転車圏内に住んでいる住民です。この人たちにいかに楽しんでもらい、いかにスタジアムに足を運んでもらうか。そのために彼は電話帳のAからZの人たちに電話を掛けまくり、チケットを売ります。非常にローカルなマーケティングですが、一番重要なことだと思います。まずは年間シートを売ります。ただし、新規顧客がスタジアムに来てくれるよう、70%ほどを目指して地域の人々に販売していくのです。シーズン前の年間セールスが終われば各試合に向けてチケットセールスが行われます。


もちろん、電話だけでなくスタジアム内外でも様々な工夫がされ、観客を楽しませています。その工夫ができるのはチケットセールスが出来ているからとすべてのクラブ関係者が理解をしています。観客の要望も通りやすくクラブではサポーター代表とのミーティングも頻繁に行われ、会長や社長も選挙で行われますので、サポーターは自分たちでクラブを育てている感覚になるでしょう。そうやって愛するクラブは作られるのです。


話は少し変わりますが、昨日ラストマッチを行ったフロイド・メイウェザーはスポーツ選手として年間最高額の収入を経ています。先日のブログでも記載しましたが、メイウェザーの収入のほとんどがチケット収入です。素行の悪いメイウェザーは嫌われているスポーツ選手ランキングの常連であり、スポンサー離れが多いのが問題でした。その為、アドバイザーのアル・ヘイモンはボクシング好きなヒスパニック系に目をつけ、ヒスパニック系の記念日にヒスパニック系と試合をすることでアンチが集まる大興行を成功させ、チケットをプレミアム化し、巨額なファイトマネーを発生させたのです。


話は逸れましたが、このようにアメリカのスポーツビジネスの根幹はあくまでチケット収入です。それがあるのでスポンサーがつく。単純で一番重要なことを忘れないアメリカのビジネスモデルは、日本にとって全く遠くないビジネスだと思います。スポンサーを何百社とつけるクラブより、毎試合満席のクラブの方がとても美しいと思います。

満杯のスタジアムの雰囲気が大好きなスポーツ好きのお願いです。自分を含め、多くの人を巻き込めるスポーツビジネスがしたいですね。


渡邊嶺


参考動画↓↓

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