渡邊嶺

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代表戦で“熱”を感じたカンボジアサッカーの未来

こんにちは。嶺です。先日行われた、カンボジアvs.日本のサッカーW杯予選。カンボジアはサッカー熱がものすごいということで、5万人収容のスタジアムに満員の観客が集まりました。試合内容も観客の後押しのおかげか、前半0-0と勝ちに等しい展開をしていたのもあり、非常に盛り上がりました。現在カンボジアではリーグ戦の日程がすべて終了し、多くの選手がコンディションに問題を抱えていました。試合中にも何人もの選手が足をつり、限界を迎えていたことも印象です。カンボジアのサッカー熱が盛り上がっているとありましたが、今年のリーグ戦は悲惨な状況でした。2月開幕予定だったリーグの開幕は結局7月までずれ込み、日程を消化するために、中1〜2日という強行日程でリーグを敢行。入場料が1~2.5ドルのリーグでカンボジアでも観戦可能な値段に設定されていますが、優勝が決まる試合を平日の15時に行うなどファンも観戦できない状況で日程が組まれています。“サッカー熱が高まっている”という言葉と相反するようなリーグ運営をしているのです。日本でも、ラグビー協会の入場チケットの失敗談がしきりにニュースになっていますが、カンボジアのサッカーの発展にはリーグ運営が鍵を握るでしょう。中1日では選手にとって負担しか残りませんし、ファンを増やすにも中1日で全試合を観戦することは不可能です。ファンが観戦できる環境を作るためにも、まずはしっかりとした運営をしていくことが大事ですね。カンボジアのリーグは33年前に発足されており、日本より歴史が深い。今では経済も成長していて、日本人サッカー選手も多くカンボジアリーグでプロとしてプレーしています。また、日系の企業も多く存在していて、カンボジアンタイガーFCは日本企業がオーナーのクラブです。おそらく選手にしても運営にしても日本企業がカンボジアに進出し、サッカーを強化していくことになると思います。アジアが発展すれば日本サッカーの強化にもつながりますし、日本人サッカー選手の可能性がどんどん広がるので、活動を続けて欲しいですね。カンボジアリーグについて個人的な意見ですが、外国人枠は撤廃すればいいのにと思います。(カンボジアリーグでは外国人の登録は5名で出場は3名まで。)日本もそうですが、今後世界に出ていくために、自国の選手中心でリーグを行うのは成長を遅らせてしまうと思うのです。セリエAのインテルなんてほとんど自国の選手はいません。ホームグロウン制度があるので、今は少し増えましたが、モウリーニョがいた時のCL決勝なんてスタメンにイタリア人選手は一人もいなかったのですから。自国のレベルを上げる段階にあるリーグでは外国人枠は必要ないと思います。レベルの高い外国人選手とプレーしたほうが、自国の選手のレベルアップに繋がるでしょうし。カンボジアサッカーはどんどん成長していく土台にあると思います。今後も日本企業、日本選手がカンボジアに進出し、成長していくでしょう。とはいえ、カンボジア代表の試合を見た感じでは技術的な面も、フィジカル的な面もまだまだレベルが低いと感じました。カンボジアの選手で解説が「日本に挑戦するかもしれない」と言った選手がいましたが、日本で助っ人として活躍できるレベルとは思えませんでした。コンディションの問題かもしれませんし、戦術の問題なのかもしれません。理由はわかりませんが、予選で全敗している中で、守備的な戦術を取るのか、その中でも攻撃的なサッカーに挑戦するのかの選択は非常に大事です。もっと挑戦して欲しかったというのが印象です。カンボジアのサッカー熱にはびっくりしましたし、ちょっとワクワクしました。熱があれば絶対に成長できると思います。今後のカンボジアサッカーの成長が楽しみです。

高校年代の指導について。Jユースカップ観戦にて思ったこと。

こんにちわ。嶺です。先日の土曜日にJユースカップの準決勝を見てきました。日本でユース年代の試合を観戦するのは10年ぶりくらいでしたので、非常に楽しみにしていました。観戦日は11月7日でJユース以外にも高校サッカーの東京都予選が行われており、その影響もあり(?)観客としては少なかったです。イメージとは違った高校サッカー試合を見ての第一印象は、「高校生細いな」と「こんなに蹴るんだ」という印象です。Jリーグのユースは、トップチームと同じような戦術を取ると思っていたので、繋ぐサッカーをイメージしていましたが、東京と大分に関してはロングボールが多かったです。ディフェンスラインからどんどん裏に蹴るサッカーで、イメージとは全く違いました。また、ほとんどの選手が170cm前後じゃないかな?というくらい本当に小さいし細い。日本人はもともと線が細く20歳くらいから身体ができてくるので、この体格はあらためて感じました。試合はFC東京vs.名古屋グランパスと大分トリニータvs.浦和レッズの2試合。FC東京vs.名古屋グランパスの試合は東京が先制し、前半に名古屋が同点、後半に逆転したが、試合終了間際に同点に追いつき、延長戦へ。延長前半に同点で勢いづく東京が逆転弾を決め、その後もポストをたたくシュートを放つなど攻勢に出て、勝利かと思いましたが、延長後半開始早々に、中途半端な守備から裏を取られて10番に同点弾。シーソーゲームで延長の末3‐3の同点で決着つかず、PK戦でのグランパスが勝利しました。2試合目に関しては、浦和が先制し試合をコントロール。大分はロングボールからサイドに散らし、フィジカルで押し込む戦術を徹底。浦和も奪ってからの縦に早いサッカーでどちらも走り合いの展開になりましたが、後半に浦和が追加点を決めて万事休す。大分は90分走りましたが、得点を奪えずに敗退しました。言葉の使い方試合中で一番気になったのが、監督などの言葉。自分は指導者を目指しているわけではないので、ユース年代に関してどのように指導をすればいいかはわかりませんが、試合中に監督が「次どうする?」「その後は?」と声を掛けてるのは自分としては違うんじゃないかなと。単純に次どうするか、どう動くかは監督が事前にマネジメントしておくべきだし、動きの修正や変更の指示をするならわかります。公式戦で勝ちにいく試合だと思いますが、”戦術的な指示”というよりは、”成長を促す指導”のように感じられたのです。そこに関してはこれでいいのか?とこれでいいんだなという印象。どっちも正解なんだろうなと。そのチームは実際にキープレイヤーの突破に頼るサッカーで内容もつまんなかったですけど。日本のU-18世代ってどういう指導なんでしょう。トップに昇格する選手もいるみたいですが、世界の16~18歳なんてトップチームで試合に出るやつなんてめちゃめちゃいるし、バルセロナのこの世代見たときもなんか全員がプロになりたい!って感じでギラギラしてた。日本は身体ができてないし、プロで通用するような選手はあんまりいないなと。高校でJのユニフォームを着れるというだけで、プロになれるのは年に1人いるかいないか。ほとんどは大学進学です。Jユースの意義ってなんでしょうか。プロ育成機関と考えるのであれば、JはU-22くらいまで作ればいいんじゃないかと思います。高校通いながらユースに入れるんだから、大学行きながらU-22にも入れるでしょ。試合は大学と連携して新しいリーグを考えればいいし、選手は給料なくてもバイトしながらでもできるはず。実際にアマチュアの選手たちはそうして生活しているんだし。でも、実際はいろいろと問題あるんでしょうね。今の高校サッカーは自分の中で、まだ中途半端なイメージです。この準決勝もなんか盛り上がりにかけてちょっと寂しい感じだったなー。また時間があれば見に行きたいと思います。

日本サッカーの指導者環境について

こんにちは。嶺です。本題に入る前に、、本日日本代表が発表されました。日本サッカーは様々な環境の変化があり、芝のグランドも増え、サッカーチーム数や指導者も増え、数年前に比べて海外のチームに行く日本選手が増えました。まだ"国内組は結果を出しても呼ばれない”なんて言う人もいますが、海外で結果を出しても呼ばれない選手もいるので、実力主義の世界ではどこにいても呼ばれないなんてのは当たり前だと思います。特に代表では短い時間で監督の要求に答えられる選手が呼ばれる訳で、新しい選手を呼んで結果を出さなければ監督は解任の可能性があるのですから、なかなか新戦力を発掘するリスクを取りたくないでしょう。代表では”誰がこのチームにフィットするのか”が話の争点であるべきで、"今活躍していて、面白そうだから”という理由ではないと思うのです。世界を経験している日本人監督にチャンスを海外ではあのジダン選手がレアルマドリードBの監督としてベンチに座ったり、シメオネがアトレティコ・マドリードで評価を高めるなど、2002年のワールドカップで日本に来ていた選手がトップリーグで活躍しています。さあ、日本ではどうでしょうか?2002年のワールドカップで活躍した選手に限って言えば、J1で監督している選手は0人。自分としてはこの状況が問題だと思うのですが、みなさんどうでしょうか。別にワールドカップを経験している選手が監督をすること自体が必須ではないのですが、海外で戦った選手や、海外クラブでプレーを経験した選手が指導者になること自体には非常に価値があると思っています。日本が海外で戦うためには世界で勝つことを知っている指導者が必要だからです。ここにも日本ならではの年功序列の企業文化が少なからず影響を及ぼしていると思います。勉強はできますが、"経験”はなかなかできるものではありません。トップレベルの選手がトップレベルの指導者になれるとは限りませんが、トップレベルの選手であれば解決方法も多く経験しているでしょう。前回の代表戦の解説で、闘莉王選手と宮本恒靖さんの話が非常に面白かったです。2人とも違う解決方法を持っていて、どちらも納得のいく解決方法でした。自身で経験している外国との戦い方ですので、試合中にも明確に"こうするべき”"自分だったらこうする”というのを持っています。2人の指導は見てみたいなと思った視聴者も多かったのではないでしょうか。日本では実力を年齢で図ることが多いですが、引退して間もないのセードルフやインザーギを監督に据えたACミランなどを見てもわかるようにどんどん日本人の若手指導者にもチャンスを与えるべきです。そうでなければ、日本サッカー界の発展がどんどん遅れると思います。世界にいけば、実力主義。世界に出て戦うのも一つの手段日本では、なかなかチャンスに恵まれない。そう考えて海外で指導者にチャレンジしている人も現在では多くいます。代表的なのが、藤田俊哉さんでしょう。現在はオランダのVVVフェンロでトップチームのコーチとして活躍されています。日本と違い、実力主義でさらに言葉の壁があるアジア人が信頼されるには想像を超える苦労があったと思います。今では監督からの信頼も得て、3年目のシーズンを送っています。今では世界に日本人監督がいます。プロ選手としての経験がない人たちも、海外クラブで指導を行っています。彼らの中ですでに日本に帰り、指導者として活動をしている方もいらっしゃいますが、非常に経験豊かな指導者の方ばかりです。さらに、結果を出せなければクビという厳しい環境の中で経験を積んでいる方々ですので、彼らのような存在がもっとフィーチャーされるような環境ができればと思います。今後、どのようなキャリアを組むかわかりませんが、個人的にすごく注目しています。選手だけでなく、日本の指導者環境も世界のスタンダードにしていく必要があると思います。そのために世界を経験しているコーチが活躍できる環境作りが早くできることを願っています。

Jリーグは変わるのか。魅力的なコンテンツに向けて。

こんにちは。嶺です。Jリーグでは、アドバイザーとして堀江貴文さん、夏野剛さんを起用して改革をしようとしています。閉鎖的なイメージのある、日本のスポーツ界において、非常に面白い取り組みです。現在「Jリーグの名称を変えたほうがいい」「海外枠の撤廃」など様々な持論を展開してニュースになっていますね。ビジネスの観点からするとJリーグのやり方にもどかしさがあるのだと思います。ただし、すぐに名前を変えましょうとならないのが組織だと思います。では、どのように変えていくのでしょうか。堀江さんはJリーグは儲かるコンテンツになると考えています。いや、儲かるコンテンツにしようとしているのでしょう。そのために、このように話をしています。「成功事例をつくるしかない。東京にでっかいスタジアムつくって、連日満員になるという事例。日本は人口20億以上を擁するアジアにあり、世界の人たちが、世界一美しく、安全で、食べ物がおいしいと思っている。同条件なら、ご飯もまずい、天気も良くない、フーリガンがいるプレミアよりいい。ものすごいチャンスがあるし、いま投資したら割安。例えば東京Vなど歴史と伝統のあるチームを買収して、200~300億円かけて選手補強し、スタジアムを建てる。500億円ぐらいの投資で、10年後は2000~3000億の価値があるクラブになると思う」これこそが究極の目標ですね。ただし、10年では足りないかもしれません。元々サッカー界にいる人であれば夢のような話かもしれません。「そんなの無理だろ」と思っている人が大半だと思いますが、ビジョンを持って進めていかないとJリーグの成長はたかがしれていて、中国に次ぐリーグとなることは目に見えています。(もうなってるのかな?)Jリーグが進歩をしないと、日本代表も弱くなるので、サッカーがコンテンツとして魅力がなくなる悪循環になります。今サッカー界は危機にいるのです。投資対象としてのJリーグ日本では今まで外資規制が敷かれ、海外の会社が興味を持ってもクラブの買収などは不可能でした。しかし、外資規制の緩和が検討されています。それによって、多くの会社が日本市場に興味を持つことでしょう。ただし、"儲かるなら”というのが前提です。現在のJリーグの各クラブでは、多くのクラブが経営に悪戦苦闘しています。問題はスタジアムからテレビの放映権、親会社など様々ですが、儲かるとはまだまだ言えないです。あるクラブ関係者と「入場者数は頭打ちで、広告収入に頼るしかなく、爆発的に増えることはない。」という、話をしたことがあります。そういったクラブにとって海外資本は魅力的になるのでしょうか。海外の会社に投資を考えさせるために、「Jリーグは儲かるぞ!」というのを先に示す必要があります。海外のクラブに投資している企業のほとんどがリターンを求めてビジネスとして買収を行うからです。堀江さんがインタビューで言っていたとおり、毎日のように新聞やテレビなどに企業名が乗る宣伝費は、日本進出を目指しているのであれば非常にいい投資になるはずです。そうすれば外資の投資が増えるでしょう。東南アジアにとってはJリーグは夢のリーグでもあります。Jリーグもタイなどと連携をとっていますので、今後は動画の販売など他の事業でも利益を生むでしょう。スタジアムに来る習慣づくり魅力的なコンテンツになるように動き出したJリーグですが、まずは各クラブが今後しっかりと「儲かるよ」というプレゼンテーションが世界にできるのかが注目されると思います。ガンバ大阪が新しいスタジアムを作り、指定管理として47年の長期契約を決めました。これは異例のことで、市との協力関係があってのことです。他に指定管理しているクラブはサッカーでは鹿島アントラーズ、野球では広島カープが有名です。広島の様々な取り組みはみなさんの知っての通り非常に高い評価を得ています。サッカーは野球と比べて試合数が少ないですので、ガンバ大阪がどのような取り組みを行うのか、今後の楽しみです。日本ではまだまだスタジアム収容率が少なく、年間の集客数トップの浦和でさえも約60%にとどまっています。この数字だけでもクラブが発展するために、改善点はあるのではないでしょうか。さらに多くの可能性が秘めていると思います。私としては、試合の日に観戦はしなくてもスタジアムに来る人が増える取り組みを行う必要があるのではないかと思っています。例えばB級グルメのフェスをスタジアム周辺でやっていて、そこに何万人が来る。ついでにサッカーやってるから見ようか。そんなことでもいいと思います。もっと多くの人に「スタジアムに行くと面白い」と思ってもらう取り組みが必要だと思います。「サッカーを観に来る」のではなく、「毎週スタジアムに行く」という癖ができれば必然的に集客は増えると思いますし、他の収益も増えます。それにはクラブがスタジアムを管理しているということも必要ですが。試合のあるなしに関わらず、地域を巻き込んでスタジアムに人を呼ぶことができるクラブがあれば非常に魅力的です。日本にもそのようなクラブができるよう、期待をしています。